ブルーアースニュース6月号

NPOブルーアースニュース 第76号 

2021年6月5日発行

 『北海道・東北の縄文遺跡群』が世界文化遺産に登録の見通しになったという嬉しいニュースが入ってきました。青森市の三内丸山の大集落が栄え始めた5900年前は、今よりも海面が何メーターも高い縄文海進の時代でした。 三内丸山は、それから1700年も続いた世界に誇るサステイナブルな大集落だったそうです。

NPOブルーアースでは、月に一回、誰でも参加できるオープンサロンを開催していますが、5月25日のテーマは、「神奈川県周辺の地形・地質と災害」という内容でした。地球の歴史と神奈川県とその周辺の地質土地系の成り立ちを紐解き、地盤災害について考える興味深いテーマでした。

コロナ禍の元でZoom開催でしたが、24名参加されQ&Aでも盛り上がりました。

1.NPOブルーアースの活動のご紹介

(1) おもしろ理科教室・環境教室

・ 福島県相馬地域の小学校での”おもしろ理科教室”の実施時期については、現地の小学校と調整中です。 コロナが落ち着いてからになるかと思います。東北大震災から10年、今の福島の小学生達は大震災の実体験の記憶が残っていない世代ですが、長年続いたこのご縁を大事にして10年の節目の支援ができたらと思っています。

・ 8月には、赤羽文化センターと西尾久ふれあい館にて小学生向けのおもしろ理科教室の実施を予定しています。

(2) E&E(エナジー&エコロジー)セミナー  

今年のE&Eセミナーは、 9月ごろ(再生エネルギー関連?まだ未定) および11月ごろ(防災関連)で検討をはじめました。

(3)オープンサロン

  毎月1回開催しています。(このところZoom開催が続いています)

<6月オープンサロン>

6月15日(火)15:30-17:00

テーマ:「幕末・維新における由利公正の経済政策について」

    〜日本を近代国家に導いた富民富国の思想と実践〜

  税制の近代化に貢献し、日本が東洋で最初の近代国家となる道を開いたまさにその功労者であった由利公正についてお話しします。

講師:山田喜代信(会員) 

 皆様のご参加をお待ちしています。

(*) 飲み物(コーヒーやワイン等)を準備され、お気軽に参加いただける無料のサロンです。

参加を希望されます方は下記よりお申し込みください。

https://bit.ly/2Y2rnOC

メッセージ欄に「オープンサロンXX月参加希望」と記入をお願いいたします。

Zoom開催の場合、ネット環境の整った場所であれば、どなたも参加可能です。

参加を希望される皆さまには、後日、WEBリンク、参加IDを連絡させていただきます。   

PCからの参加は、リンクを押すだけで繋がります。スマホ、タブレットから参加される方は、Zoomアプリをインストールし”参加”ボタンからIDを入れてご参加ください。

(4)活動の広報

  NPOブルーアースのホームページ、Facebookページ、Youtubeチャンネルでは、活動の様子や資料の共有を行なっています。 セミナーの資料やオープンサロンの動画もアップしていますので、

ご覧になっていただければと思います。

☆ NPOブルーアース ホームページ

https://npo-blueearth.jimdo.com/

☆ NPOブルーアース Facebook ページ

https://www.facebook.com/npo.blueearth/

☆ NPOブルーアース Youtubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCZtnWbSvZG33DLZ6T-yTSnA

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横浜市市民活動推進基金 (よこはま夢ファンド)の助成について

よこはま夢ファンドは、社会貢献団体を応援する皆様の寄付で成り立っています。NPOブルーアースは、東日本大震災の被災地、相馬市の小学生のための出前理科教室を6年に亘り続けて参りました。

今後もこの活動を継続できますように、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

詳しくはこちらから https://bit.ly/3p1XxX4 」

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「コラム」コーナー」

『アジサイ(紫陽花)と化学』

                    瀧本憲一(会員)

地雨に映える花「アジサイ(紫陽花) 」の季節となった。アジサイは、花のように見える部分の「がく片」(装飾花)の色が、土の酸性度(pH)の違いで変わることは知られている。名古屋大の吉田久美教授(天然物化学)らのグループが、「がく片」の細胞ごとに色が変わる仕組みを解明したことが英植物科学誌に発表された内容について紹介する。

◆アジサイは、一般の家の庭にも見られ、鎌倉の名月院(アジサイ寺)などが有名である。アジサイには、青や赤の品種があり、青色品種の「がく片」は酸性土壌で青、中性で紫、アルカリ性で赤みが強まる。同グループは、青色品種で紫色になったアジサイの「がく片」の細胞を観察した。「がく片」には青、紫、赤などの細胞が混ざっていることが分かった。赤や青色を作るアントシアニン(デルフィニジン3-グルコシド)の量は色に関係しないことが分かった。①青い細胞には、酸性土壌で水に溶けだすアルミニウムイオンと助色素(5-O-カフェオイルキナ酸(5CQ))と呼ばれる分子の量が多く、②赤い細胞はどちらも少なかった。アルミニウムは細胞の中でアントシアニンを青く発色させ、助色素は発色を安定させる効果があることが分かった。

◆沢山ある「がく片」の細胞ごとに色の変化があることの必然性はまだ不明であるが、将来、色を管理できる栽培法が開発されれば、アジサイの色の魅力をさらに高めることができるかもしれない。

◆このアジサイの色から化学分析の世界で思い出すのは、酸性、アルカリ性を調べる手段として、リトマス試験紙を用いる。リトマス試験紙は赤色が酸性、青色がアルカリ性で、「がく片」の色と逆になり、直接比較できるものではないが、植物の世界と化学分析の世界とで「化学反応」という意味で相通ずるものを感じる。

◆アジサイは、日本に自生しているガクアジサイで1000年以上の歴史があり、海岸沿いに自生することから、ハマアジサイとも呼ばれており、目立たない花であったが、戦後観光資源として一般にも注目されるようになったようである。

*参考資料:読売新聞 朝刊 (2021.2.7)、紫陽花の歴史

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