ブルーアースニュース5月号

NPOブルーアースニュース 第87号  2022年5月5日発行


 今年のゴールデンウィークは、3年ぶりに非常事態宣言もまん延防止等重点措置も解除された状態で迎えました。皆さまは、どのようにお過ごしですか?
 一方、2月24日に始まったウクライナ戦争によって、市民らの生命と生活が危機に晒され、多くの犠牲者が出ています。また、知床では荒天の中出航した観光船が沈没して、乗客・乗員の犠牲者は26名に上っています。改めて、正確な情報と的確の判断の重要性を痛感します。また、最近は、ガス・電気などの公共料金の大幅な値上げ、加えて、日々の食料品や酒類の値上げが続いています。
 こうした環境の大きな変化の中、私たちNPOブルーアースの活動の重要性が高まっていると感じます。環境・エネルギー問題、日本そして世界の安全保障・医療健康・生きがいなど、ワガコトとして考え、意見を出し合い、行動に移すことが、より大切になっていると思います。
 多くの皆さまが、ブルーアース・オープンサロン等の活動にご参加いただき、交流を深め情報を共有されますよう、お願いいたします。

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〖 NPOブルーアースの活動のご紹介 〗

(1) 2022年度の事業活動
 4月2日(土)には、新任の役員を交えた理事会が、オンラインで開催され、理事長・副理事長の選任、活動業務に対する担当理事の分担等が承認されました。これらを受け、役員の変更届、定款の変更申請書を、横浜市役所に提出して、4月13日に受理されました。変更した定款の認証は、縦覧後の6月10日頃の予定です。

(2) おもしろ理科教室・環境教室
・ 福島県相馬地域の3小学校
   例年実施しています福島県相馬地域の小学校での「おもしろ理科教室」が、今年も下記の予定で実施することになり、準備・調整を進めています。
①相馬市立桜丘小学校(6/27・28)、
②新地町立駒ヶ嶺小学校(6/27)
③南相馬市立小高小学校(6/29)

・  東京応化財団助成金
昨年度に引き続き、今年度も公益財団法人東京応化科学技術振興財団から助成金を受けることが、決定しました。上記、福島県相馬地域での「おもしろ理科教室」を実施する際、活用されます。

・ 東京北区赤羽文化センター
 小学生向けの「身近なもので電気がつくれるかな?」のテーマで、3月29日に実施予定が、コロナの感染拡大に伴い延期となりましたが、7月31日に開催する予定です。

・   8月の予定
①荒川区西尾久ふれあい館:「おもしろ理科教室」
②横浜市栄区西本郷小学校:「放課後キッズクラブ」
③県立川崎図書館:「子供向け理科教室」

・ 2022年度もKISTEC主催の「なるほど!体験出前教室」へのボランティア講師が募集され、3月31日に応募申請が締め切られ、ブルーアース会員から15のテーマを登録し、5月から学校での募集が始まりました。
  https://www.kistec.jp/rikaston/demae/school/
①実施校募集・応募、調整、事前説明会等:5月~8月上旬
②体験出前教室:9月~1月31日

・    (再録)2022年度は、神奈川県主催の環境・エネルギー学校派遣事業~かながわ環境教室に「PETボトルでわたづくり」のテーマをNPOブルーアースとして申請し登録されました。
  (*) https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ap4/cnt/f160450/index.html

(参照) おもしろ理科教室の実績と予定のホームページ : https://bit.ly/3i9tOcW

(3) E&E(エナジー&エコロジー)セミナー  
2022年度の防災を含むE&Eセミナーは、共同主催のパートナーである地盤品質判定士会神奈川支部・地域国土強靱化研究所の担当者と、10~11月の開催に向けて協議中です。
  (参照) E&Eセミナーのホームページ : https://bit.ly/3idwAew

(4)オープンサロン
  毎月1回開催しています。(3月までオンライン開催でしたが、4月から対面+オンライン併用のハイブリッドで実施しています。)

<4月のオープンサロン終了>
4月19日(火)16:00-17:30  かながわ県民センター709会議室+Zoom
テーマ: 「朝顔の生育観察とその不思議」
内容:理科教室を実施した時に、子ども達に「科学は難しいものではなく、少し注意をしてみると身の回りに沢山あります」と、話してきました。子ども達に話すばかりではなく、自分でもやってみようと考え、題材として身近な「朝顔の生育観察とその不思議」を取上げました。自分で育てた朝顔を観察し、更に調べた結果を紹介しました。
講師:瀧本憲一(会員) 

<5月のオープンサロンの予定>
5月17日(火)16:00-17:30  かながわ県民センター710会議室+Zoom
テーマ: 「琉球王国の巧みな生存戦略をひもとく」
内容:現在の沖縄県は、明治維新までは独立国家「琉球大国」でした。その地政、歴史、文化を概観した上で、この弱小国家が強大国の異国船来航という国難に際して執った巧みな外交戦略と戦術、及びそれらの考察について紹介します。
講師:山田喜代信(会員)
   (参照) オープンサロンのホームページ : https://bit.ly/3c7tkyk
※ふるってご参加ください!ご希望の方は下記よりお申し込みください。
                 https://bit.ly/2Y2rnOC   
メッセージ欄に「オープンサロンXX月参加希望」とご記入ください。

<6月のオープンサロン予告>
6月21日(火)16:00-17:30  かながわ県民センター705会議室+Zoom
テーマ: 「ベトナム交流譚」
講師:安原一哉さま(茨城大学名誉教授・(一社)地域国土強靱化研究所代表理事) 
     
〖 活動の広報 〗
NPOブルーアースのホームページ、Facebookページ、Youtubeチャンネルでは、活動の様子や資料の共有を行なっています。 セミナーのオープンサロンの資料や動画もアップしていますのでご覧ください。

☆ NPOブルーアース ホームページ
https://npo-blueearth.jimdo.com/
☆ NPOブルーアース Facebook ページ
   https://www.facebook.com/npo.blueearth/
☆ NPOブルーアース Youtubeチャンネル
   https://www.youtube.com/channel/UCZtnWbSvZG33DLZ6T-yTSnA
 
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  横浜市市民活動推進基金(よこはま夢ファンド)の助成のお願い
    「よこはま夢ファンド」は、社会貢献団体を応援する皆さまの寄付で成り立っています。
NPOブルーアースは、東日本大震災の被災地、相馬市の小学生のための出前理科教室を 8年に亘り続けて参りました。今後もこの活動を継続できますように、同ファンドを介して、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

詳しくはこちらから https://bit.ly/3p1XxX4
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「コラム」コーナー
『これからの世間師を探す』                           岸田隆夫(会員)

「忘れられた日本人」の著者:宮本常一
   岩波文庫の一冊に「忘れられた日本人」があり、読まれた方も少なくないと思われます。その著者は宮本常一で、全国をくまなく歩き回り、各地の民間伝承、特にその担い手である古老達に会い、老人が語るライフヒストリーを克明に記録し、簡潔な言葉でその経験や知恵を生き生きと伝えています。
  柳田國男・折口信夫・南方熊楠と並び称される程の民俗学者ですが、その経歴も手法もユニークです。1907(明治40)年、瀬戸内海の周防大島の農家に生まれ、小学校高等科を卒業して、1年間故郷で農業を手伝いました。その後、大阪逓信講習所、天王寺師範専攻科二部を卒業して、郵便局の電信員、小学校教師を勤めました。乞食や被差別民の生活に関心を持ち、教職の傍ら休日には大阪府の南部を取材して廻りました。

宮本常一の仕事:古老の語りを引き出す
  そんな時、渋沢栄一の孫で日銀総裁や大蔵大臣を務めることになる渋沢敬三に出会います。敬三が私費で運営するアチック・ミューゼアム(屋根裏博物館、後に日本常民文化研究所)の所員として働き始め、民間伝承採取の仕事で全国を歩き回ります。年200日のフィールド調査を続け、生涯では16万Km地球4周分を踏破し、3千以上の村を訪れ、1千軒を超える民家に泊まり、古老と話し込みました。
そうして集めた会話は、上記の著書の中で、「土佐源氏」・「梶田富五郎翁」に結実します。前者は土佐の檮原(ゆずはら)村の橋の下に住む盲目の元馬喰の『色懺悔』であり、後者は対馬浅藻(あざも)の周防大島出身の漁民による『築港譚』です。二人からは、「どの女も皆優しいええ女じゃった!」、「世の中で一番偉いのが人間のようでごいす!」と、感慨深い言葉を引き出しています。

「世間師」に出会う
 こうした長老、中でも他所で豊かな経験を持った人は、「世間師」(せけんし・しょけんし)として、地域での知恵袋として大切にされました。そして、宮本常一自身も、民俗学・民具学は勿論、離島・部落問題、農業・漁業・林業技術、口承文芸・文化論に広く精通しており、ある時は世間師の一人として地域発展のために熱弁を振るいました。佐渡では大太鼓の『鬼太鼓(おんでこ)座』、周防大島では伝統の『猿回しの大道芸』の設立・復活に、大きく貢献しました。上記の著書でも、『世間師』に2章で割り当てて、幕末から昭和初期までの間、世間師が少なからずいて、村の生活を改善するために力になったことを述べています。

これからの世間師は
  混迷の現代、そして、これから将来の方向性を考えて、行動する上で、こうした世間師の力を借りたいものです。その世間師は、身近に生活している人々に少なくないはずです。若い頃から海外で勉強や仕事をして苦労した経験を持っている人も有力です。最近では、ウクライナやミャンマーから日本にやって来た難民・避難民の体験談に耳を傾けたいものです。そして、東南アジアやブラジルなどからの技能実習生の話、母国と日本での生活状況を、忌憚なく話して欲しいものです。
NPOブルーアースには月例会の後に、オープンサロンを設けています。参加して交流を図ることで、世間師と出会う機会を増やすと共に、普段お付き合いしている人の中に潜む「世間師」の一面に触れてみたいものです。こうした心がけも、安心・安全な社会づくりに役立つものと信じたいと思います。

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