ブルーアースニュース8月号

NPOブルーアースニュース第102回 2023年8月5日発行

 

 8月1日午後、横浜では雷雲が発生し待望の雨がしっかりと降りました。前夜7月31日、雷鳴が轟いていましたが、降雨は僅か2mmだったようです。猛暑に1か月近く喘いでいた近所や公園の植物は十分な水分を得て急に生き返ったように見えました。慈雨と言う言葉がありますが、事典を引くと、「日照りつづきのときに降る雨。夏の雨。俳句では夏の季語。」とあります。『広辞苑』第7版では“ ほどよく物をうるおし育てる雨。ひでりつづきのあとの雨。甘雨。”とあります。慈雨を有難く思うと同時にいつまでも続くよう願うこの頃です。

 

【NPOブルーアース活動の紹介】

1. おもしろ理科教室/環境教室 (神奈川県/東京都)

 7月30日、赤羽文化センターで夏休みを活用した理科教室が開催されました。

 8月4日は、KSP(神奈川サイエンスパーク)でKISTEC出前教室の夏休み屋台村、

 8月5日には同じくKSPにて"かさわきサイエンスチャレンジ"が開催され、

小学校の先生やKSPに集まった生徒たちに理科教室を実施しました。

 8月後半には、西尾久ふれあい館で"おもしろ理科教室"、

港区港南図書館での"大人の環境教室"を行うことになっています。

 

(参照) 理科教室の予定と実績 : https://bit.ly/3Dlz2uA

 

2. おもしろ理科教室 (KISTEC 体験出前教室)

 毎年講師登録しているKSTECの体験出前教室は、今年も13件の神奈川県下の学校から応募がありました。 そのうち4つがおもしろ環境教室です。9月から12月にかけてスケジュールが目白押しなので、会員で協力して支援していきます。

 

(参照) 理科教室の予定と実績 : https://bit.ly/3Dlz2uA                   

 

3. E&Eセミナー&見学会

  E&Eセミナーは、秋に開催予定です。詳細が決まりましたら、お知らせします。

 

4. オープンサロン

<8月の予定>

テーマ: 「文春新書「日本の自殺」を読んだことありますか?」

・ 日時:8月21日(月)16:00~17:30 (県民センター , 対面+ Zoom)

・ 話題提供:猪股勲 (会員)

概要 :  「日本の自殺」は、文芸春秋に、1975年に掲載された「グループ1884年」という著者によって書かれた論文を基に、2012年に、文春新書になった本ですが、今年の文藝春秋新年特大号に、「『日本の自殺』を読み直す」という小文が掲載され、今、チョットした話題になっています。1875年、2012年、2023年と、NPOブルーアース会員の皆様にとっては、様々な思い出のあるそれぞれの時代に、この本が話題になった内容・理由などを紹介させていただき、皆様のご意見をお聞きしたいと思っています。

日本が、今抱えている色々な問題に対する示唆に富んだ内容だと思っています。

 

< 9月の予定 >

テーマ:「初等教育向け防災の授業案~「子ども目線」で考える防災教育の魅力~」

・ 日時:9月18日(月)16:00~17:30 (県民センター , 対面+ Zoom)

・ 話題提供:石川弘毅 (会員)

・概要

①「歌が伝える復興の絆」②「ひまわりの おか」③「東京を再び興した男-後藤新平-」

を題材に初等教育向け防災の授業案を紹介します。

 

※会員以外の方のご参加も歓迎します。ご希望の方は下記よりお申込みください。 

https://bit.ly/2Y2rnOC 

(メッセージ欄に「オープンサロン7月参加希望」とご記入ください。

※オープンサロンの後、有志で懇親会を行う予定です。

(参照)オープンサロンのホームページ:https://bit.ly/3c7tkyk

 

5.創立20周年記念事業

 創立20周年を記念して、①記念誌の発行と公開、②記念パーティの開催の計画で準備を進めています。(10月-11月)

 

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「コラム」コーナー

               会員 廣瀬忠一郎

 

 本年7月に入り熱中症警戒アラートが多くの国内地域で連日発表されています。今年のこれまでの最高気温は7月31日、埼玉県熊谷市の39.2℃です。気象庁の観測史上の国内最高気温は41.1℃で、2018年7月29日、埼玉県熊谷市、および2020年8月17日、静岡県浜松市で記録されています。世界気象機関(WMO)の報告によると、今年2023年7月、1か月の世界の平均気温は、記録が残る1940年以降、最も高くなる可能性が非常に高いとのことです。

 更に7月26日、朝日新聞に、“大西洋の海洋循環が今世紀にも停止? 世界の気候激変の「転換点」に”との報道が掲載されました。この記事は、デンマークのコペンハーゲン大学のチームが25日付で英国のNatures communications誌に発表した“Warning of a forthcoming collapse of the Atlantic meridional overturning circulation”と題する論文を典拠としています。その要約では、早ければ2025年、遅くとも95年までに大西洋の海洋(熱塩)循環停止が起こる可能性が高いことが示されたと説明されています。

 このニュースは、筆者が会員である米国のエコロジー哲学研究会Center for Ecozoic Studiesの季刊誌、本年5月号巻頭論文“The seduction and realty of collapse”の論旨に通じるところがあり驚きました。A4版全31頁の結論部では現代人間文明の真の意味での統合品質が持続可能性に整合的でないことを喫緊に変革(within the context of whole planet, with the integral Earth community)すべきことを改めて提言しています。

 愚見感想は

①現代文明は、the context of whole planetはほぼ共有していると思われます。

②他方、the integral Earth communityの確立は遥かに遠いと考察せざるを得ず、しかもそれは持続可能性のtipping point回避の先決要件ではないか?ということです。

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